寸評:「年寄りの意地」
この日、第2試合目はオールジャパン・プライベート・ベースボールクラブさんとの対戦。グランド未取得の枠で対戦相手を探していたところ、偶然にも強豪チームが募集をかけていた。「オールジャパン」と名乗っているチームは他にもいくつか存在するが、どこも本当に強豪であることは間違いのないところ。このAJPBCさんも調べによると、ストロングリーグ軟式野球ランキング全国総合で8位にランクされており、その戦績は実に見事である。場所はかのトラウマ天王洲野球場(常磐ギャロップ戦13失点)。とてもキレイな人工芝が敷かれている球場で、中防史上でも1、2を争う好球場ではなかろうか。AJPBCさんは普段から東京ドームで試合をやったりと、人工芝にとても慣れている感がある。審判さんに探りを入れてみたが、「しっかりとした野球をやるチームだ」と教えてくれた。
試合は初回、ラッキーにも相手投手の制球がままならない。4連続四死球でいきなり先制!その後も坂内の犠牲フライで1点、ワイルドピッチに阿相が素早く反応し1点。奇しくも試合の主導権は、相手の乱調によってもたらされた。
その裏、今年初登板となる齋藤健は1安打されるものの、2奪三振と上々の立ち上がり。
3回表、100安打を目前に絶不調の悩める4番がフルスイングした打球は、キレイな弧を描き、ナイターの天王洲球場のフェンスを越えていく…。芯よりやや根元だったものの、推定飛距離100mは、まるでメモリアルの100安打目をこの日に取っておいたかのようだった。試合前、「こういう相手だからこそ4番に打って欲しい」とGM。偶然にもその通りとなって、ベンチも俄然盛り上がりを見せる。
その裏、四球と死球で二死一三塁のピンチ。ここでお決まりの偽投に引っ掛かる一塁ランナー。でも中防はこれにいかんせん弱い。^^;
挟殺プレーの間にサードランナーを還してしまった上、一塁ランナーも生かしてしまう。なおもセンターオーバーのタイムリーを浴び、2点差になってしまう。
4回表、すぐさま点差を広げたい中防は先頭の五十嵐が歩くと、盗塁、内野ゴロで一死三塁。ここでMr.サードゴロ吉澤にGMはスクイズを指令。投球は頭上になろうかという高めの球だったが、吉澤はこれを執念で転がし、貴重な5点目をGET!再度点差を3点に広げる!獲られた後だっただけに、この1点はとても大きかった。
5回裏、吉澤の悪送球で先頭打者を出す。これをレフト前タイムリーで還され、またもや2点差に。なおもピンチが続いたが、ここは強肩惠谷の盗塁刺殺に助けられる。試合の流れ的には、この盗塁死も非常に大きかった。
その後、齋藤健は明らかに球威が落ち、ヘロヘロになりながらも6、7回を投げきり完投勝利。最後の打者はショートライナーゲッツーなどの幸運にも恵まれ、今季初勝利となった。
筆者の印象としては、中防の2006年は静かに開幕していた。例えるなら、「起きたばかりでまだ眠い」というチームのテンションだったが、この試合で昨年の中盤以降に見せた“本気モード”が目を覚ましたような、そんな気がする。試合前に仕入れていた対戦相手の情報が火を点けてくれたのかもしれない。試合後の、「どっちが公式戦かわからなかった」とはみんなの声。^^;
この日の夜に行なわれたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でもオールジャパンは韓国に負けてしまった。^^;
|