寸評：「運を呼び寄せたプレー」
城東ベイサイドリーグも３戦３敗となり、プレーオフ進出を目指すにはすでに崖っぷちに追い込まれている中防。負けたら終わりというトーナメントのような心境で臨むしかない。対戦相手は、昨年、阿相が間違って完封劇を演じてしまった桜自転車さん。ゼロ封できるようなレベルのチームではなく、打撃水準が高く、バッテリーの能力水準も高い好チームだ。
結果を先にいうと、この試合に勝利することができたのだが、運がよかった試合だったといえよう。さて、その運を招いたのは？
試合は初回表、桜自転車さんの攻撃。先頭の増田さんが痛烈なサード強襲安打で出塁。盗塁で二進後、内野ゴロで一死三塁のピンチを招く。しかしここは阿相が踏ん張り、投手ゴロ、一塁フライでゼロに抑える。
その裏、一死からＧＭ菊地がサードの頭をフラフラと越える渋いヒットで出塁。これを齋藤健が送って（気持ちはセーフティバント）、二死二塁。小川四球で最も頼りになる坂内に打席が回ったが、ここはサードゴロに倒れる。
２回表、投手阿相は３連続四球で上げ膳、据え膳のお膳立てをした上に、タイムリーを浴びるなど、丁寧に三つ指ついてご馳走を振舞ってしまうサービスを展開する。四球で塁を埋め、タイムリーという最悪のパターンで２点を献上。しかし、こんな展開でこの回を２点で凌いだのがとても大きかった。
３回表、阿相の調子はまだ上がらない。先頭打者にレフトオーバーの三塁打を打たれて無死三塁。これもワイルドピッチで難なく失点に結び付けてしまう。この時点で完璧に流れは桜自転車さん。流れどころか、試合の雌雄も決してしまったかのような雰囲気だ。なおも四球、安打で一三塁と押せ押せの桜自転車さんだったが、２つの投手ゴロでこの回を１点に終える。これも大きい。え？まだ３点？体感失点ではもっと取られていたように感じた。
その裏、浜田の打球は、初回にＧＭが放った打球の反対側（一塁手後方）へポテンと落とす。渡邊四球で一二塁。一死後に齋藤健の打席でＧＭは「盗塁」のサイン。打席の齋藤はアンビリーバボーなサインに戸惑う。「ホンマかいな？」。しかしここで「打っていいぞ！」という声も耳に入り、ＧＭの意図するところをおぼろげに理解する。真ん中高めの直球を叩くと打球は左中間へ。相手のレフトはこれに追いついていたのだが、なんと落球～！サインが盗塁だったこともあって、一塁走者の渡邊までも一気に生還し１点差となる。続く４番小川はセンター前にタイムリ～！なんとこの試合を振り出しに戻したのだ！
４回表、一死からレフト前へ会心の当たり！次打者もセンターへ弾き返し連続安打で一二塁。スコアは振り出しに戻したものの、まだ流れは桜自転車さんにあるかのような展開。ここで前打席に豪快なレフトオーバーを放っている３番打者が打席に入る。今日、最もタイミングの合っている強打者を迎え、絶体絶命のピンチだ。案の定というか、レフトへデカいファール、三塁線へ強烈なファールを
連打され、中防ナインは萎縮ムード。う、打たれそう…。しかし！ここで相手への流れを断ち切るすんごいプレーが飛び出る。“ゴゴゴゴオオオォォォ”と運を
こちらへ手繰り寄せる音が筆者には聞こえたような気がする。三塁線ファールグランドに上がった小フライを追いかけるキャッチャー上西。仮に追いついたところで、球の回転でミットからこぼれ落ちるのが定石のようなこれに向かって、ちゃんと右手もかぶせながらダ～～イブ！こぼれそうな打球をひたすら右手でカバーし、落とさない！……す、すごい。追いついたこともスゴいが、落とさなかったこともスゴい…。小泉のオッサン並みに「感動した！」っていうプレーだ。こんなプレーを見せられて発奮しないやつは男じゃない！
その上西がその裏の先頭打者として打席に。ここはシナリオ通りに？レフトへクリーンヒット。ここまで誉めたら打たないわけがない。次の、発奮などしないはずのロートル江本が、やっぱり発奮してないんだけど、間違えてセンターオーバーを打ってしまう。逆転…。さらに江本は浜田のサードゴロではスタートを切らず（三塁打に疲れていて切れず）、ワイルドピッチに目ざとく反応し、ホームを踏む。
相手のミスにつけこみ出したら止まらないのが中防の特徴。５回にもエラー、フィルダースチョイス、阿相のタイムリー、ファーストフライのエラー、ピッチャーへの内野安打などで４点を奪い、試合を決める。
さすがは「神懸かっている東洋建設コンビ」の片割れだ。アッパレ！ん～、ナイスゲーム！！坂内のバットが湿っても、すかさず下位打線が活躍するなど、今さらながら野球というのはつくづく９人でやっているのだな～と思わされる。また、３回表終了時点で帰ってしまったお客さんがいたら（いるはずないが）、この試合を中防が勝つとは思えなかったろうなあ。野球はホンマわからん。
あ、最終回、筆者の３エラーでいらない１点を献上した。面目ない。m(_ _)m
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